親の死後にやること全リスト【デジタル手続き優先順位つき】

親が亡くなったあとは、葬儀や役所の届け出、年金や保険、契約の解約など、やることが一度に重なります。期限があるものとないものを分けると、順番が見えてきます。

結論からお伝えすると、今日中にやるのは、死亡届の準備、葬儀社への連絡、親のスマホの充電の3つです。デジタル関係の解約やアカウントの整理は、今日や明日に急ぐ必要はありません。

むしろ、気持ちが整わないまま焦って解約してしまうと、あとから必要な情報を確認できなくなることもあります。まずは葬儀や役所の手続きを優先して大丈夫です。

この記事は、迷子にならないための「地図」です。親が亡くなった後にやることの全体像を時系列で整理し、デジタル関係の手続きにいつ手をつければいいかも、あわせてまとめました。必要なところだけ、詳細記事にも目を通してみてください。

目次

「今日中にこれだけは」——最優先の3つ

今日中にこれだけは』——最優先の3つ
  1. 死亡診断書を受け取り、死亡届の提出を進める
  2. 葬儀社へ連絡する
  3. 親のスマホの電源を切らずに、充電器につないで保管しておく(iPhoneは再起動した後や、48時間以上ロック解除されていないときは、顔認証が使えずパスコードの入力が求められます。参考:Apple公式「先進のFace IDテクノロジーについて」。パスコードのメモが手帳や引き出しに残っていないかも、あわせて探しておくと安心です)

この記事でわかること

  • 親の死後、いつまでに何をすればいいかの全体像
  • 葬儀・役所関連の手続きで、最低限おさえておきたいポイント
  • スマホやアカウントなど、デジタル関係を進めるベストなタイミング
  • 相続に関して、意識しておきたい主な期限
  • 今日中にやっておきたい、最優先の3つ

全体の流れを一覧で確認【優先順位つきタイムライン】

まずは全体の流れを一つの表にまとめました。細かい手順よりも、「今どのあたりにいるか」をつかむための地図として使ってみてください。

時期やることデジタル関係の位置づけ
直後〜1週間死亡診断書の受け取り、死亡届の提出、葬儀の手配、火葬許可証の取得基本的には後回しでOK。スマホの電源は切らずにそのまま保管
1週間〜2週間年金・健康保険の手続き(期限は10〜14日以内)、世帯主の変更、公共料金や各種契約の名義確認スマホのロック解除や、重要な通知の確認だけ先に着手
2週間〜1か月葬儀まわりの手続きが一段落してくる時期デジタル遺品整理を本格的にスタート(アカウント整理、サブスク解約など)
1〜3か月相続放棄を検討する場合は期限(3か月以内)を意識ネット銀行・証券などデジタル資産の把握を並行して進める
4か月〜準確定申告(4か月以内)、相続税の申告(10か月以内)、相続登記(3年以内)の期限を意識デジタル遺品整理の仕上げ、墓じまいなど次のステップの検討

死亡直後にやること(葬儀・役所関連の手続き)

まず、亡くなった直後に必要になる代表的な手続きを一覧にしました。多くは自治体の窓口や葬儀社が案内してくれるので、ここでは全体像だけ先につかんでおきましょう。分からないことが出てきたら、その都度お住まいの市区町村役場や葬儀社に確認すれば大丈夫です。

  • 死亡診断書(死体検案書)の受け取り
  • 死亡届の提出(死亡の事実を知った日から7日以内。葬儀社が提出を代行してくれることも多いです。法務省「死亡届」)
  • 火葬許可証の申請
  • 葬儀社への連絡・打ち合わせ
  • 健康保険の資格喪失の手続き(国民健康保険・後期高齢者医療制度は14日以内)
  • 年金の受給停止の手続き(年金受給権者死亡届。厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内。日本年金機構)
  • 世帯主変更届(残された家族が2人以上の世帯の場合、14日以内)
  • 公共料金や各種契約の名義変更・解約

年金については、日本年金機構に親のマイナンバーが登録されていれば、市区町村に死亡届を出すことで情報が共有され、年金受給権者死亡届は原則として省略できます(参考:日本年金機構「マイナンバーによる手続き」)。登録されているか分からないときは、年金事務所に確認すると安心です。まだ受け取っていない年金(未支給年金)の受け取り方や、届け出の期限は、親が亡くなったら年金はどうする?にまとめています。

健康保険の資格確認書(保険証)の返し方や、葬儀のあとに申請できる「葬祭費・埋葬料」は、親が亡くなったら健康保険・介護保険はどうする?にまとめています。

亡くなった方の銀行口座は、金融機関が亡くなったことを知った時点で止まります。止まったあとの預金の手続きや、遺産の分け方が決まる前でも一定額を引き出せる「預貯金の払戻し制度」は、親の銀行口座が凍結されたら?にまとめています。

必要な書類や窓口は自治体によって異なるため、まずは役所の窓口で「死亡に関する手続きの一覧」をもらうと、抜け漏れを防ぎやすくなります。

デジタル関係は、いつ・何から手をつければいいか

デジタル関係は、いつ・何から手をつければいいか

葬儀や役所の手続きが一段落したら、次はスマホやオンラインアカウントまわりです。ここで大きなカギになるのが「順番」です。焦って手をつけると、かえって取り返しがつかなくなることもあります。

【最優先で意識したいこと】スマホの回線は、あわてて解約しない

携帯電話の契約をすぐに解約してしまうと、電話番号を使った本人確認ができなくなり、各種アカウントの手続きが一気に難しくなることがあります。まずは料金の支払い方法だけ確認して、解約はほかの整理が落ち着いてからでも遅くありません。くわしい理由はこちらでも解説しています。

くわしくは、「デジタル遺品整理と墓じまい、どこから始めるかのロードマップ【親の死後にやることを整理する】」をご覧ください。

スマホのロックが外せないとき

故人のスマホのパスコードが分からず、開けない状態のまま止まってしまうケースは少なくありません。機種別の対処法は、こちらの記事にまとめています。

結論から言うと、スマホ本体のロックを、AppleやGoogle、携帯電話会社が解除してくれることは基本的にありません。ただし、iCloudやGoogleアカウントに保存されたデータは、決められた手続きを踏めば、家族が開示を請求できる場合があります。

くわしくは、「親のスマホのパスワードがわからない…死後、どうすればいい?【iPhone・Android別の対処法】」をご覧ください。

業者に頼むか迷っている場合は、費用の例と依頼前に確認したいことを故人のスマホのロック解除、業者に頼むといくら?にまとめています。

iPhoneを解約・データを整理する手順

iPhoneの場合は、Apple IDの扱いや回線の解約順を間違えると手続きが進まなくなることがあります。手順を一つずつ確認したい方は、こちらをご覧ください。

結論としては、①Apple IDの整理→②データの保存・削除→③回線の解約、という順番で進めるのが安全です。

くわしくは、「親のiPhoneを死後に解約・データ削除する完全手順【Apple ID・データ・回線を順番に解説】」をご覧ください。

携帯を解約するために必要な書類

実際に窓口へ行く前に、キャリアごとに必要な書類を確認しておくと、二度手間を防げます。

結論として、多くの場合は「死亡が確認できる書類(死亡診断書のコピーなど)」と「手続きする人の本人確認書類」の2点があれば進められます。

くわしくは、「親の携帯電話を解約するときに必要な書類一覧【ドコモ・au・ソフトバンク】」をご覧ください。

自宅のインターネット(光回線・Wi-Fi)の解約

実家に光回線やWi-Fiがある場合は、携帯電話とは別に解約の連絡が必要です。

結論として、ネットは「回線」と「プロバイダ」の2つの会社と契約していることがあるため、まずは契約先がいくつあるかを確認するところから始めると安心です。

くわしくは、「亡くなった親のインターネット(光回線・Wi-Fi)を解約する方法|契約先がわからないときの探し方」をご覧ください。

SNS・サブスク・オンラインアカウントの整理

デジタル遺品整理の中でも、SNSやサブスク、各種オンラインアカウントの整理は特に項目が多く、迷いやすい部分です。カテゴリー別の進め方は、こちらの完全ガイドで詳しく解説しています。

結論としては、料金が発生し続けるサブスクから先に止め、SNSなど思い出に関わるものは時間をかけて整理して問題ありません。

Facebookについては、親のFacebookアカウントを死後に削除・追悼申請する方法で、思い出を残す「追悼アカウント」と削除の申請手順をまとめています。

サブスクの具体的な見つけ方や解約の手順は、こちらの記事で詳しく解説しています。

くわしくは、「親が残したサブスクを確認・解約する方法【完全版】」をご覧ください。

サブスクの支払いに使っていたクレジットカードの解約は、親のクレジットカードを死後に解約する手順と注意点にまとめています。

くわしくは、「【完全版】デジタル遺品整理とは?親が亡くなったら最初にやること」をご覧ください。

相続・お金まわりで、最低限意識しておきたい期限

相続に関する手続きには、期限が決まっているものがあります。ここでは詳しい進め方までは触れませんが、「期限があること」だけは早めに知っておくと安心です。具体的な手続きは、税理士や司法書士など専門家に確認することをおすすめします。

  • 相続放棄・限定承認:相続の開始を知った日から3か月以内
  • 準確定申告:相続の開始を知った日の翌日から4か月以内
  • 相続税の申告・納付:相続の開始を知った日の翌日から10か月以内
  • 相続登記(不動産を相続した場合):相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内(2024年4月から義務化)

期限は、それぞれ次の公式ページで確認できます。
・裁判所「相続の放棄の申述」
・国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」
・国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
・法務省「不動産を相続した方へ」

また、相続財産には現金や不動産だけでなく、着物や骨董品、貴金属といった「物」も含まれます。捨てる前に確認しておきたいポイントは、こちらの記事でまとめています。

デジタル整理の次に見据えておきたいこと(墓じまいなど)

デジタル遺品整理と墓じまいは、進めるタイミングも性質も異なります。同時に考えている場合はどちらから手をつければいいかで迷いやすいので、こちらのロードマップも参考にしてみてください。

くわしくは、「デジタル遺品整理と墓じまい、どこから始めるかのロードマップ【親の死後にやることを整理する】」をご覧ください。

よくある質問

デジタル遺品整理は、葬儀より先にやるべきですか?

いいえ、葬儀や役所の手続きを優先して大丈夫です。デジタル関係の多くは、1〜2週間ほど時間をおいても問題ありません。慌てて着手する必要はないので、まずは目の前の手続きから進めましょう。

スマホの解約は、いつまでに済ませればいいですか?

法律上の明確な期限はありませんが、料金の支払いが続いている点は意識しておきたいところです。ロックの解除やアカウントの整理が終わってから解約する方が、後々のトラブルを防ぎやすくなります。

死亡届は、いつまでに出しますか?

死亡の事実を知った日から7日以内です。国外で亡くなったときは、知った日から3か月以内です(法務省「死亡届」)。

まとめ

ここまでの流れを、あらためて3つに整理します。

  • 直後の数日は、葬儀・役所の手続きを最優先にする
  • デジタル関係は少し落ち着いてから、順番を意識して進める(スマホの解約は最後でOK)
  • 相続がらみの期限だけは、早めに頭の片隅に置いておく

親が亡くなった後にやることは多岐にわたりますが、「直後にやるべきこと」と「少し時間をおいてからでいいこと」を分けて考えるだけで、気持ちの負担はかなり軽くなります。

デジタル関係は決して最優先の手続きではないので、まずは葬儀や役所まわりから、落ち着いて一つずつ進めていきましょう。特に、スマホの解約だけは焦らずに、ロックの解除やアカウントの整理が終わってからで大丈夫です。

迷ったら、今日はこの記事を閉じてしまって構いません。まずは親御さんのスマホの電源が入っているかどうかだけ確認し、充電器につないでおきましょう。今日のデジタル対応は、それだけで十分です。

まずはここから始めましょう。スマホのロックが外せないときの対処法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

くわしくは、「親のスマホのパスワードがわからない…死後、どうすればいい?【iPhone・Android別の対処法】」をご覧ください。

手続きの方法や必要書類は変更されることがあります。最新情報は必ず各社・各窓口の公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

テクニカルサポートのコールセンターに10年以上携わり、1日数十件・延べ数千件のお問い合わせに対応してきました。セキュリティソフト(McAfee)で3年、モバイルWi-Fi(WiMAX)で2年。その後は、パソコンのセキュリティ、WordやExcel、年賀状ソフト、プリンターまで、ご年配のお客様の「分からない」に電話でひとつずつ付き添ってきました。私自身は古着販売を行うため、古物商の許可も持っていますが、遺品の買取は行っていません。
今も、70代半ばの父からスマホやパソコンのことをよく聞かれます。そして私も、母を見送った家族のひとりです。このサイトでは、各社の公式情報で確認したことを、同じ立場の家族としてお届けします。

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