実家のネット回線は、親が亡くなったあとも、解約するまで契約が続きます。どこと契約していたのかが分からないと、解約の連絡先も分かりません。
結論からお伝えすると、親御さんのインターネットは、ご家族が電話や窓口で解約を申し出ることができます。パスワードが分からなくても手続きは進められますし、今日中に急いで止める必要もありません。
ただし、インターネットは「回線」と「プロバイダ」の2つの会社と契約している場合があるため、片方だけ解約して、もう片方の料金が引き落とされ続けることがあります。
この記事では、各社の公式サポートページの内容をもとに、契約先の探し方(どうしても分からない場合の方法も含めて)、解約の手順と必要なもの、止める前に確認しておきたいことをまとめました。全部を一度にやる必要はありません。目次を見て、できそうなところから少しずつ進めていきましょう。
ネットの契約は、回線とプロバイダの2つに分かれていることがある
インターネットを使うための契約は、次の2つに分かれていることがあります。

| 契約の種類 | 役割 | 会社の例 |
|---|---|---|
| 回線 | 家まで光ファイバーなどの線を引く | NTT東日本・NTT西日本(フレッツ光)など |
| プロバイダ | インターネットにつなぐ | OCN・BIGLOBE・So-net など |
一方で、「ドコモ光」「ソフトバンク光」のように、回線とプロバイダを1つの会社でまとめて契約する形も増えています(光コラボレーションと呼ばれます)。この場合は、基本的にその会社1か所に連絡すれば手続きが進みます。
ただし、ドコモ光でも契約のプランによっては、プロバイダを別に解約する必要がある場合があります。「連絡先は1か所か、2か所か」を最初に確認しておくと安心です。
契約先は、ルーター・通帳・郵便物から探せる
親御さんがどこと契約していたか分からない場合は、次の順番で探してみてください。探すときは、「回線の会社」と「プロバイダの会社」の2つが見つかるかどうかを意識しておくと、解約の漏れを防げます。

ルーターのラベルで、会社名を確かめる
まずは実家のルーターや、壁の近くにある機器を見てみましょう。
- 機器の本体やシールに、会社名やサービス名(「ドコモ光」「SoftBank」「NTT」など)が書かれていることがあります
- 自宅に置くタイプのWi-Fi(ホームルーター)や、持ち歩くタイプのWi-Fi(ポケット型Wi-Fi)の場合は、その機器の会社が契約先の手がかりになります
ただし、機器に書かれているのは「NTT」など回線の会社の名前だけということがよくあります。プロバイダの名前は機器からは分からないことが多いため、次の「郵便物・通帳」もあわせて確認してください。
実家を離れる前に、機器の表と裏のシールをスマートフォンで1枚ずつ撮っておくと安心です。会社名や型番などが写っていれば、自宅に戻ってから電話で問い合わせるときの手がかりになります。
通帳やカードの明細で、引き落とし先を確かめる
次に、お金の流れから契約先を探します。
- 郵便物:「開通のご案内」や請求書には、会社名とお客さま番号が書かれています。解約のときに役立つので、見つけたら取っておきましょう
- 通帳:口座振替の欄に、毎月同じ名前の引き落としがないか確認します(NTT東日本・西日本の料金は「NTTファイナンス」の名前で請求されることがあります)
- クレジットカードの明細:毎月決まった金額の支払いがないか確認します
- メール:親御さんのメールが見られる場合は、「ご利用料金のお知らせ」などのメールも手がかりになります
通帳に引き落としが2つ(回線の会社とプロバイダ)あれば、それぞれに連絡が必要です。1つしかない場合は、まとめて契約している形(光コラボレーション)の可能性があります。
通帳やクレジットカードの確認は、サブスクの整理と一緒に進めると効率的です。くわしくは親が残したサブスクを確認・解約する方法【完全版】でまとめています。
分からないときは、届く請求書から契約先が分かる
家の中や通帳を探しても見つからない場合は、次の方法があります。
- 分かっている会社に聞いてみる:回線の会社(NTTなど)が分かっている場合は、解約の連絡をするときに「プロバイダがどこか分かりますか」と聞いてみてください。契約の内容によっては、教えてもらえることがあります
- 郵便物が届くのを待つ:銀行に親御さんが亡くなったことを伝えると、口座からの引き落としは止まります。その後、支払いが済んでいない料金の請求書が郵便で届くと、そこに会社名が書かれています
- 郵便の転送届を出しておく:実家に誰も住んでいない場合は、郵便局に転送届を出しておくと、請求書などをご自身の家で受け取れます
無理に家じゅうを探さなくても、届いた請求書から契約先が分かることもあります。見つからないことを、ご自身の責任だと感じる必要はありません。
止める前に、セット割・つながる機器・引き継ぎを確かめる
解約してから「しまった」とならないように、次の3つを確認しておくと安心です。
家族のスマホのセット割がなくなることがある
ネット回線とスマホをセットで契約していると、割引が付いていることがあります。親御さんの回線を解約すると、ご家族のスマホの割引がなくなったり、金額が変わったりする場合があります。ご家族が同じ会社のスマホを使っている場合は、解約の連絡のときに一緒に確認しておきましょう。
見守りカメラやひかり電話も止まる
インターネットを解約すると、つながっていた機器も使えなくなります。
- 見守りカメラ、ホームセキュリティ
- スマートスピーカーなどのスマート家電
- 光回線を使った固定電話(ひかり電話)
とくに固定電話は、フレッツ光を解約すると、付いているひかり電話も一緒に解約になると案内されています。親戚や知人から実家の電話にかかってくる可能性がある場合は、止める時期を考えておくと安心です。
解約せずに、家族が名義を引き継げる会社もある
ご家族が実家にしばらく住む場合や、片付けのあいだはネットを使いたい場合は、名義を変えて契約を引き継ぐ選択肢もあります(「承継」と呼ばれる手続きです)。
- 引き継げる会社の例:NTT東日本・NTT西日本、ドコモなど
- 引き継げない会社の例:ソフトバンク光・SoftBank Airは、公式サイトで「ご家族が引き継ぐことはできない」と案内されています
迷う場合は、まず契約先に「契約者が亡くなった」と伝え、どんな選択肢があるかを聞いてから決めても大丈夫です。
解約は、家族が電話や窓口で申し出ればできる
契約者が亡くなった場合の解約は、家族が契約先に連絡すれば進められます。手続きのおおまかな流れは、どの会社でも次のとおりです。
- 契約先の窓口に連絡し、契約者が亡くなったことと、解約したいことを伝える
- 案内に沿って、亡くなったことが分かる書類などを用意する
- レンタル機器を返却する(必要な場合は撤去工事の日程を決める)
- 最後の月の料金を精算する
亡くなったことが分かる書類は、会社によって認められるものが違います。例として、次のようなものが挙げられています。
- 除籍の記載がある戸籍謄本
- 住民票の除票(亡くなったことが記載された住民票)
- 死亡診断書のコピー
- 会葬礼状(葬儀の参列者にお渡しするお礼状)や、新聞のお悔やみ欄
戸籍謄本などを取りに行くときは、携帯電話の解約の分も含めて、少し多めに取っておくと手間が省けます。携帯電話の手続きについては親の携帯電話を解約するときに必要な書類一覧をご覧ください。
会社ごとの窓口と、必要な書類
各社の公式サイトで案内されている内容をまとめました(2026年9月時点)。
| サービス | 手続き方法 | ポイント |
|---|---|---|
| ソフトバンク光・SoftBank Air | 電話 | 手続きできるのは2親等以内の親族。電話では契約者の氏名、生年月日か設置住所、連絡先電話番号などを聞かれる |
| ドコモ光 | ドコモショップなどの窓口 | 葬儀の案内状や死亡診断書など、亡くなったことが分かるものを持参する。事務手数料はかからない |
| フレッツ光(NTT東日本・西日本) | 公式サイトや電話の窓口 | ドコモ光などの光コラボを使っていた場合は、NTTではなく契約先の会社で手続きする |
| au | 公式サイトの案内に沿って手続き | 戸籍謄本、住民票の除票、会葬礼状、死亡診断書など、亡くなったことが分かる書類のうち1点(コピー可) |
くわしくは、各社の公式ページで確認してください。
上の表にない会社(プロバイダや、ホームルーター・ポケット型Wi-Fiの会社など)も、公式サイトで「契約者 死亡」と検索すると、多くの場合は案内のページが見つかります。
解約したら、レンタル機器を返す。最後の月は日割りにならないことも
- レンタル機器の返却:ルーターなどを借りていた場合は、返却が必要です。返却しないままだと、機器の代金を請求される場合があります
- 最後の月の料金:月の途中で解約しても、1か月分の料金がかかる場合があります(日割りにならない)
- 工事費の残り:開通工事の費用を分割で払っていた場合、残りをまとめて請求されることがあります
なお、相続放棄を考えている場合は、未払いの料金の扱いが変わることがあります。ソフトバンクでは、相続放棄の場合は料金の一部が免除されると案内されています。心配な場合は、支払いの前に契約先に相談してみてください。
解約は四十九日のあとでも間に合う。契約先だけは早めに
インターネットの解約は、四十九日が過ぎて落ち着いてからでも間に合います。ただ、そのあいだも毎月の料金はかかり続けるため、「どこと契約しているか」だけは早めに把握しておくと安心です。
親の死後の手続き全体の中で、いつ何をすればいいかは親の死後にやること全リスト【デジタル手続き優先順位つき】で順番にまとめています。
よくある質問
- 親のネット回線は、家族が解約できますか?
-
できます。契約先に、契約者が亡くなったことを伝えて申し出ます。ソフトバンク光・SoftBank Airは、2親等以内の親族が手続きできます。
- パスワードが分からなくても解約できますか?
-
できます。解約の手続きは、電話や窓口で進められます。
- 月の途中で解約すると、日割りになりますか?
-
ならない場合があります。月の途中で解約しても、1か月分の料金がかかることがあります。
- 解約せずに、家族がそのまま使えますか?
-
会社によってはできます。NTT東日本・西日本やドコモは名義を引き継げます。ソフトバンク光・SoftBank Airは、家族が引き継ぐことはできないと案内しています。
- 解約はいつまでにすればいいですか?
-
急ぐ必要はありません。ただ、解約するまで毎月の料金がかかるので、契約先だけは早めに確かめておくと安心です。
まとめ:まずは「今日できること」から
親御さんのインターネットは、ご家族が連絡すれば解約できます。「回線」と「プロバイダ」の2つの契約がある場合もあるため、まずは契約先を確かめるところから始めてください。
今日できることは、次の2つだけで十分です。
- 今日やること①:実家のルーターの表と裏を、スマートフォンで1枚ずつ撮っておく
- 今日やること②:親御さんの通帳の、直近3か月分の引き落としに目を通す
契約先が分かったら、連絡するときに「家族のスマホのセット割」と「つながっている機器(見守りカメラ・固定電話)」についても一緒に聞いておくと安心です。
この記事が、少しでもお役に立てば幸いです。
手続きの方法や必要書類は変更されることがあります。最新情報は必ず各社の公式サイトでご確認ください。

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