親が残したサブスクを確認・解約する方法【完全版】

親が残したサブスクを確認・解約する方法【完全版】

通帳やカードの明細を整理していると、見覚えのないサービス名の引き落としが、親が亡くなったあとも毎月続いていることに気づきます。

パスワードがわからなくても、こうした契約を止める道筋はあります。

スマートフォンやパソコンだけで申し込みが完結するサブスク(月額・年額で自動更新される定期購入サービス)は、いまや珍しくありません。紙の契約書が手元に残らないものも多く、ご家族がすぐに気づけないのは自然なことです。

この記事では、親御さんが残したサブスクを「探す」「解約する」という順番で整理しました。親御さんのスマートフォンが開けない場合でも、カードの明細や通帳から見つけて止めていく方法があります。

今日中にすべてを終わらせる必要はありません。スマホが開けなくても、カードの明細と通帳の引き落としから探せるので、できるところを一つずつ確認していきましょう。

目次

先に知っておきたい4つのこと

細かい手順の前に、つまずきやすいポイントを4つだけ先にお伝えします。

  • アプリを消しても、携帯電話の回線を解約しても、サブスクは止まりません。契約は端末や回線ではなくアカウントに紐づいているため、別途解約の手続きが必要です。
  • 銀行口座が凍結されても、契約は終わりません。引き落としができなかった分は未払いとして残ります。口座が止まるタイミングは、親の銀行口座が凍結されたら?で解説しています。
  • 探す場所はほぼ決まっています。クレジットカードの明細、銀行の引き落とし履歴、スマートフォンの契約一覧、メールの受信箱——この4か所を見れば、大半は見つかります。
  • クレジットカードは、あとから止めるほうが進めやすくなります。先にカードを解約すると、引き落としができなくなった分の請求が別途届くことがあります。

そのままにしておくと、どうなるのか

サブスクの多くは、解約の手続きをしない限り自動で更新され続けます。月額500円のサービスでも、5つ残っていれば年間3万円ほどになります。

動画配信や音楽、電子書籍、クラウドの保存容量、健康食品の定期便など、種類が多いほど総額は膨らみます。ここから先で、どこを見れば契約が見つかるのかを順番に整理していきます。

「銀行口座が凍結されれば自然に止まるのでは」と考える方もいらっしゃいます。たしかに金融機関が名義人の死亡を把握すると口座は凍結され、その後の引き落としはできなくなります。ただし、それは支払いが止まっただけで、契約そのものが終わったわけではありません。

引き落とせなかった分は未払いとして残り、後日サービス会社からご家族あてに請求書が届いたり、延滞分が上乗せされたりすることがあります。契約を止めるには、やはり解約の連絡が必要になります。

ひとつ気に留めておきたいのが、相続放棄を考えている場合です。故人の未払い分は、相続の対象になります。相続放棄は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所に申し立てる手続きです(裁判所「相続の放棄の申述」)。

相続放棄を検討している段階であれば、支払いに応じる前に弁護士や司法書士に相談しておくと安心です。

とはいえ、今日中にすべてを止めなければ大変なことになる、という性質のものでもありません。数週間のうちに順番に片づけていけば十分に間に合います。

親が契約していたサブスクを見つける4つの方法

親のサブスクを見つける4つの調査ルート

何に登録していたか、ご家族が把握しているケースはまれです。記憶をたどるのではなく、お金の流れと端末の記録からさかのぼるほうが確実です。デジタル遺品全体で何を確認すればよいかはデジタル遺品のチェックリストにまとめています。

このうち1と2は、親御さんのスマートフォンが開かなくても確認できます。3と4は、スマートフォンやメールが確認できる場合に使える方法です。

親が残したサブスクをどこから探すかを示す診断チャート

1. クレジットカードの利用明細から探す

もっとも見つかりやすいのがここです。カード会社から届く紙の明細、またはカード会社のサイトから、直近13か月分ほどをさかのぼって確認してみてください。年払いのサービスは1年に1回しか記載されないため、1〜2か月分だけでは見落としが出ます。

なお、サイトで確認できるのは直近数か月から1年程度までということが多く、それより前をさかのぼりたい場合は、相続人としてカード会社に明細の開示を依頼する流れになります。

明細に「APPLE.COM/BILL」「GOOGLE *〇〇」といった表記があれば、App StoreやGoogle Play経由で契約したサブスクがあるというサインです。この場合、後述する端末の契約一覧をあわせて確認すると内訳がわかります。

2. 銀行口座の引き落とし履歴から探す

通帳やネットバンクの入出金明細を、こちらも1年分さかのぼって見ていきます。毎月同じ日に同じ金額が出ている項目があれば、サブスクの可能性が高いと考えられます。

新聞、有料放送、通信サービス、健康食品の定期便などは、カードではなく口座振替になっていることが多い領域です。

ただし、定期的な引き落としのすべてがサブスクとは限りません。家賃、住宅ローン、生命保険料、電気・ガス・水道、税金の口座振替などは、止めるものではなく、名義変更や別の相続手続きが必要になるものです。

ここでは「解約してよいサービス」と「手続きが別にあるもの」を分けて書き出しておくと、あとの判断がしやすくなります。

3. スマートフォンの契約一覧から探す

親御さんのスマートフォンのロックが解除できる場合は、端末の中に契約の一覧が残っています。画面上の呼び名はiPhoneが「サブスクリプション」、Androidが「定期購入」と異なりますが、どちらもアプリ経由で契約したサービスがまとめて確認できる画面です。

iPhone・iPadの場合:「設定」アプリを開き、いちばん上のお名前の部分をタップして、「サブスクリプション」を選びます。有効なものと、すでに期限が切れたものが一覧で表示されます。

Androidの場合:「Playストア」アプリを開き、右上のプロフィールアイコンから「お支払いと定期購入」、続いて「定期購入」を選びます。パソコンからはGoogle Playの定期購入ページでも同じ内容を確認できます。

4. メールの受信箱を検索する

親御さんのメールが確認できる状態であれば、受信箱の検索窓に「ご登録」「領収書」「請求」「自動更新」「お支払い」といった言葉を入れて検索してみてください。

サービス側から届いた登録完了メールや決済完了メールが残っていることが多く、明細には載らないポイント払いや携帯電話料金合算のサービスも拾えます。

ここまでの4か所を、決済の経路ごとに整理すると次のようになります。

支払いの経路確認できる場所解約の窓口
App Store(Apple)設定 → 名前 → サブスクリプション同じ画面から解約
Google PlayPlayストア → お支払いと定期購入同じ画面から解約
クレジットカード直接カード会社の利用明細各サービスのサイト・窓口
口座振替通帳・ネットバンクの明細各サービスのサイト・窓口
携帯電話料金と合算通信会社の請求内訳各サービスまたは通信会社

見落としやすい「これもサブスク」の例

動画配信や音楽のサービスは思い浮かびやすい一方で、次のようなものは契約している意識が薄く、明細を見ても見過ごされがちです。心当たりのある項目があれば、あわせて確認してみてください。

  • Amazonプライム、楽天やYahoo!の有料会員サービス。買い物のついでに申し込んでいることが多く、サブスクだと意識されにくい代表格です
  • クラウドの保存容量(iCloud+、Google Oneなど)。月額数百円のことが多く、写真の保存先になっている場合があります
  • ウイルス対策ソフト、パソコンのサポートサービス
  • 新聞や雑誌の電子版、有料放送(WOWOW、スカパー!など)
  • 健康食品、サプリメント、化粧品の定期便
  • 通信会社の「あんしんパック」などのオプションサービス。携帯電話の料金に含まれているため、解約時にまとめて止まることもあれば、別契約として残ることもあります
  • 写真アプリ、家計簿アプリ、ゲームの月額プランなど、アプリ内で申し込んだもの
  • 自宅のインターネット回線やWi-Fi。「回線」と「プロバイダ」の2つの会社から別々に引き落とされていることがあります(くわしくは亡くなった親のインターネット(光回線・Wi-Fi)を解約する方法)

解約する前に確認しておきたいこと

解約の手続きに進む前に、次の3点だけ確認してください。あとから困ることがぐっと減ります。

  • 中のデータが消えないか:クラウドの保存容量サービスを解約して無料の容量(iCloudは5GB、Googleは15GB)を超えると、Googleでは超過した状態が2年以上続いた場合に、写真やメールなどが削除されることがあります(Google公式)。iCloudは、新しい写真のアップロードやバックアップが止まります(Apple公式)。電子書籍や音楽も、解約すると読めなくなったり聴けなくなったりするものがあります。残しておきたいものは、先に手元の端末やパソコンに保存しておいてください
  • ご家族が使っていないか:家族プランや共有の設定になっている場合、解約するとご家族の分まで止まります。動画配信や音楽、写真の共有アルバムはとくに見落としやすい部分です
  • 年払いの残りがどうなるか:年単位で支払っているサービスは、途中解約しても残りの期間分が戻らないことがあります。返金の可否はサービスごとに違うため、窓口に連絡する際にあわせて聞いてみてください

見つけたサブスクを解約する手順

解約の方法は、どこを経由して支払っていたかで変わります。順番に見ていきます。

App Store(Apple)経由で契約している場合

  1. 「設定」アプリを開き、いちばん上のお名前をタップします
  2. 「サブスクリプション」を選びます
  3. 解約したいサービスを選び、「サブスクリプションをキャンセル」を選びます
  4. 一覧に戻り、そのサービスに有効期限が表示されていることを確認します(解約しても、支払い済みの期間が終わるまでは一覧に残ります)

パソコンからはAppleアカウントのページにサインインしても同じ操作ができます。ただし、サインインの際に確認コードが親御さんの端末に送られるため、スマートフォンが開けない状況では使えないことがあります。

なお、無料トライアル中のサブスクは、トライアルが終わる24時間以上前に解約すると、更新されません(Apple公式)。「キャンセル」のボタンが見当たらず、赤い文字で期限の表示が出ている場合は、そのサブスクはすでに解約済みです。

Google Play経由で契約している場合

  1. 「Playストア」アプリを開き、右上のプロフィールアイコンをタップします
  2. 「お支払いと定期購入」から「定期購入」を選びます
  3. 解約したいサービスを選び、「定期購入を解約」を選びます
  4. 画面の案内に沿って進め、一覧に「◯月◯日に解約されます」といった表示が出たことを確認します

AppleでもGoogleでも、解約したあとは支払い済みの期間が終わるまでサービスを使える扱いが基本です(無料お試し期間中の解約など、すぐに使えなくなるものもあります)。

解約した瞬間にすべてが見られなくなるわけではないため、写真や書き込みを保存したいときは、この期間のうちに作業できます。

携帯電話の料金と合算で払っている場合

キャリア決済(携帯電話料金との合算払い)で契約しているサービスは、通信会社の請求内訳に名前が並びます。各社のマイページで内訳を確認し、そこから解約できるものはその場で手続きします。

通信会社を経由しているだけで契約先はサービス側、という場合もあるため、内訳に見覚えのない名前があれば通信会社の窓口に問い合わせると整理できます。

気をつけておきたいのが順番です。先に携帯電話の回線を解約してしまうと、合算で払っていたサービスの契約だけが残り、請求の行き先がわからなくなることがあります。

回線の解約に進む前に、内訳をひととおり控えておくと安心です。携帯電話の解約そのものに必要な書類は親の携帯を解約するのに必要な書類一覧にまとめています。

サービスのサイトで直接契約している場合

新聞、有料放送、健康食品の定期便、ウイルス対策ソフトなどは、サービス会社と直接の契約になっていることが多くあります。ログインできる場合は、会員ページの「契約内容」「マイページ」から解約の項目を探します。

ログインできない場合は、各社のお問い合わせ窓口に電話やメールで連絡し、契約者が亡くなったこと、ご自身が親族であることを伝えて解約を申し出る流れになります。

サービスによっては、亡くなったことがわかる書類(死亡診断書の写しなど)や、続柄がわかる戸籍謄本の提出を求められることがあります。何が必要かは会社ごとに異なるため、電話の最初に確認しておいてください。そのひと手間で二度手間を防げます。

クレジットカード自体の解約も、あわせて進めておくと安心です。カード裏面(券面に番号がないカードは、カード会社のサイトや利用明細)に記載された電話番号に連絡し、名義人が亡くなったことを伝えます。解約の前に確認しておきたいことは、親のクレジットカードを死後に解約する手順と注意点にまとめています。

ただし、カードを先に止めると、引き落としができなくなったサブスクの請求が別途届くことがあります。カード会社に連絡する際に「まだ解約が済んでいない定期購入がある」と伝えて、扱いをあわせて相談しておくと、あとの行き違いを防ぎやすくなります。

私の家でも、母が亡くなったあとに似たことがありました。母の口座が凍結されてクレジットカードの年会費が引き落とせなくなり、カード会社から父に連絡が来たのです。

父はこうした手続きに慣れていなかったので、父のスマートフォンをスピーカーにして、私も横に並び、コールセンターの方と3人で話しました。母が亡くなったことを伝えると、年会費は支払わずに退会の手続きをしてもらえました。

ただ、これはその会社が対応してくれたというだけで、年会費や未払い分の扱いはカード会社や契約内容によって異なります。請求の連絡が来たときは、支払う前にまず「契約者が亡くなった」と伝えて、扱いを確認してみてください。

ログインできない・パスワードがわからないときは

親御さんのスマートフォンが開けず、IDやパスワードもわからない場合は、端末の契約一覧を確認できません。その場合は、カードの明細と銀行の引き落とし履歴という「お金の側」から探し、見つかったサービスに個別に連絡していく方法が現実的です。

明細に記載された会社名をそのまま検索すると、問い合わせ窓口にたどり着けることが多くあります。ただし、明細にはサービス名ではなく決済代行会社の名前や略号が載っていることもあります。

検索しても正体がわからないときは、カード会社に連絡して、その請求がどこの加盟店からのものかを確認する方法があります。

スマートフォンのロックそのものを解除したい場合の考え方は、親のスマホのパスワードがわからないときの対処法で詳しく整理しています。

デジタル遺品の全体像はデジタル遺品整理とは?親が亡くなったら最初にやることに、葬儀や役所の手続きも含めた順番は親の死後にやること全リストにまとめています。

なお、ご自身やご家族のこれからの備えとしては、AppleやGoogleに、万一のときにデータを託す相手をあらかじめ登録しておく仕組みがあります(Appleの故人アカウント管理連絡先、Googleのアカウント無効化管理ツール)。

ログインできなくなったときに助けてもらう二段階認証の「復旧用連絡先」を生前に設定しておく方法もあわせて、同じ苦労を次の世代に残さないための一歩として、落ち着いたときに読んでいただければと思います。

よくある質問

解約すると、親のアカウントも消えてしまいますか?

サブスクの解約と、アカウントの削除は別の手続きです。定期購入を止めても、Appleアカウント(Apple ID)やGoogleアカウント自体は残ります。写真やメールを確認したい段階であれば、まず支払いだけを止めて、アカウントの扱いは落ち着いてから考える進め方でも問題ありません。

解約の連絡は、子どもの私がしても大丈夫でしょうか?

契約者が亡くなった場合、ご遺族が解約を申し出る形が一般的です。多くのサービスでは、電話やメールで契約者が亡くなったことと続柄を伝えれば手続きを進めてもらえます。会社によっては、続柄を確認できる書類の提出を求められることもあります。

気づかないまま払っていた分は、返してもらえますか?

返金の可否はサービスごとに大きく異なります。日割りや月割りで返金されるところもあれば、規約上返金がないところもあります。解約の連絡をする際に、あわせて確認してみると状況がはっきりします。すでに引き落とされた分の扱いより、これから発生する分を止めるほうが、金額としても手間としても影響が大きい部分です。

まずは明細を1年分、見てみるところから

サブスクの整理は、探す場所さえわかってしまえば、あとは一つずつ連絡していくだけの作業です。難しいのは手続きそのものより、「何があるのかわからない」という状態が続くことかもしれません。

まずは、親御さんの通帳とクレジットカードの明細を手元に出してみてください。そのうえで、直近1年分をさかのぼり、毎月あるいは毎年くり返し出ている項目に印をつけていきます。紙の明細が手元になくても、カード会社のサイトから確認できます。

印がついた項目のうち、公共料金や保険料のように別の手続きが必要なものを外していけば、解約に進む候補が見えてきます。そこまで整理できれば、あとは順番に片づけていけます。

一度にすべてを終わらせなくてかまいません。今日は明細を開くところまで、来週は1件だけ電話してみる——そのくらいの歩幅でも、確実に前に進んでいきます。

各サービスの解約方法や料金は変更されることがあります。最新情報は必ず各社の公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

テクニカルサポートのコールセンターに10年以上携わり、1日数十件・延べ数千件のお問い合わせに対応してきました。セキュリティソフト(McAfee)で3年、モバイルWi-Fi(WiMAX)で2年。その後は、パソコンのセキュリティ、WordやExcel、年賀状ソフト、プリンターまで、ご年配のお客様の「分からない」に電話でひとつずつ付き添ってきました。私自身は古着販売を行うため、古物商の許可も持っていますが、遺品の買取は行っていません。
今も、70代半ばの父からスマホやパソコンのことをよく聞かれます。そして私も、母を見送った家族のひとりです。このサイトでは、各社の公式情報で確認したことを、同じ立場の家族としてお届けします。

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