親のスマホのパスワードがわからない…死後、どうすればいい?【iPhone・Android別の対処法】

親のスマホのパスワードがわからない場合の死後の対処法を伝えるアイキャッチ 親のデジタル終活ノート
目次

この記事でわかること

  • スマホを開ける前に、まず整理しておきたい「目的」の考え方
  • スマホを開ける前に避けておきたい3つの行動
  • iPhone・Androidそれぞれの、公式な手続きでできること・できないこと
  • 手続きが難しいときに検討できる選択肢

準備が間に合わないまま、お別れを迎えた方へ

「親が元気なうちに聞いておくべきデジタル情報リスト」では、パスワードを事前に確認しておくことをおすすめしました。ただ、実際には準備が間に合わないまま、その日を迎えてしまうご家庭も少なくありません。

この記事では、その状態から実際に何ができるのか、何ができないのかを、正直に整理していきます。

【最重要】開ける前に「何のためか」を整理しよう

スマホを開けたい理由は、実はいくつかのパターンに分かれます。まずはご自身の目的がどれに近いかを整理してみてください。それによって、進め方が大きく変わります。

  • 契約・お金の整理がしたい(携帯料金やサブスクの解約、ネット銀行の確認など)
  • 写真や連絡先などの思い出を残したい
  • 友人・知人に訃報を伝えたい

実は、「契約・お金の整理」や「訃報を伝える」が目的の場合、スマホ本体を開けなくても解決できることが多くあります。携帯電話の契約解約はキャリアの窓口で死亡の手続きとして進められますし、訃報の連絡先は郵便物や年賀状から探すという方法もあります。

一方で「写真や思い出を残したい」場合は、本体を開けるか、後述する公式の手続きに進む必要があります。目的によっては急いで無理をする必要がない、ということを、まず知っておいてください。

スマホを開けたい目的別に対応が変わることを示すフローチャート

上記のように、目的ごとに進むべき道筋を整理しておくと、迷わずに動けます。

また、相続や解約の手続きには期限があるものと、ないものが混在しています。携帯電話の解約のように期限に気をつけたい手続きと、思い出の整理のように急がなくてよい作業を分けて考えると、気持ちの負担も減らせます。

開ける前に避けておきたい3つのこと

焦っているときほど、かえって状況を悪くしてしまう行動があります。次の3つは避けてください。

  • パスコードを何度も試す:多くの機種は、規定回数(機種によりますが10回程度)を間違えると、端末が完全にロックされ、初期化するしかなくなります。一度そうなると、中のデータは失われます。心当たりのある番号があっても、可能性の高いものものを1〜2回試す程度にとどめてください。
  • ネット上の「解除ソフト」を使う:「スマホロック解除」などと検索すると出てくる非公式なソフトやサービスは、動作しないばかりか、詐欺やウイルス感染につながる危険があります。
  • キャリアショップで無理に解除を求める:キャリアショップでは、契約者の死亡に伴う解約手続きはできますが、スマホ本体のロック解除はできません。窓口で無理を言ってもトラブルになるだけなので、次の項目で説明する正しい手順に進んでください。
やってはいけない3つの行動を示す注意喚起の図解

大前提:本体のロック解除と、クラウドのデータ開示は別物

対処法を紹介する前に、誤解しやすいポイントを整理しておきます。これから紹介するApple・Googleへの正規の申請は、あくまで「iCloudやGoogleのクラウド上に保存されたデータ」を開示してもらう手続きです。

手元にあるスマホ本体の画面ロックそのものが解除されるわけではありません。

「手続きをすれば、いつものようにスマホが使えるようになる」というわけではないという点を、まず理解した上で読み進めてください。

スマホ本体のロック解除とクラウドのデータ開示は別物であることを示す図解

対処法1:本体のロック解除を、慎重に試す

以下は、パスコードそのものではなくても、解除につながる可能性がある情報です。心当たりがないか確認してみてください。

  • 手帳やメモ帳に数字の並びが書かれていないか(誕生日や記念日の組み合わせであることも多いです)
  • 契約時の書類に、初期設定のパスコードが記載されていないか

前述の通り、入力を間違えられる回数には限りがあります。「これはほぼ間違いない」と確信が持てるものだけを、慎重に試すようにしてください。回数に余裕がない状態まで来てしまったら、それ以上は試さず、次の対処法に進んでください。

対処法2:Apple・Googleのクラウドデータを請求する

本体が開けなくても、Apple・Googleそれぞれに、クラウド上のデータについて遺族が請求できる公式の窓口があります。ただし、いずれも簡単な手続きではなく、時間がかかることを前提に進めてください。

Apple(iPhone)の場合

生前に「故人アカウント管理連絡先」が設定されていれば(※これは親御さんが生前に設定していた場合のみ利用できる機能で、亡くなった後に家族が新たに設定することはできません)、指定された家族が申請することで、故人のApple Account(旧Apple ID)に保存されたデータにアクセスできます。

これが設定されていなかった場合は、法的な書類をそろえて申請します。Appleの公式ページでは、日本では裁判所の命令の代わりになる書類や手続きが認められていて、亡くなったことが書かれた戸籍謄本が必要になる場合がある、と案内されています。申請できるのは家族のうち1人だけです。

ただし、iPhoneのパスコード(画面ロックの数字)は、Appleに申請しても教えてもらえません。データへのアクセスが認められても、iPhone本体は一度消去してから使うことになります。

それでも試したい場合は、下記のApple公式サポートページから、最新の申請方法を確認してください。

▶ 亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する(Apple公式サポート)

回線の解約やApple Accountの扱いまで含めた流れは、親のiPhoneを死後に解約・データ削除する完全手順で順番に解説しています。

Google(Android)の場合

Googleにも「アカウント無効化管理ツール」という事前設定の仕組みがあります(※こちらも生前の事前設定が前提の機能です)。

これが設定されていなかった場合は、Googleの「故人のアカウントに関するリクエストを送信する」というページから、オンラインで申請します。依頼は「アカウントを閉鎖する」「資金を取得する」「データを取得する」の3つから選びます。必要な書類は依頼によって変わるので、申請画面の案内にそって用意してください。

審査にかかる日数は、公式ページには書かれていません。申請しても、必ずデータを受け取れるとは限りません。

▶ 故人のアカウントに関するリクエストを送信する(Google公式ヘルプ)

Googleへの申請内容や、データ取得とアカウント閉鎖の違いは、親のGoogleアカウント、死後の手続きと生前にできる設定【完全版】で詳しくまとめています。

それでも難しいときに検討できる選択肢

ここまでの方法が難しい、あるいは時間がかかりすぎるという場合は、次のような選択肢もあります。

  • 周辺情報から手がかりを探す:スマホ以外のメール(パソコンなど)や、届いた郵便物、契約書類から、必要な情報が判明することがあります
  • デジタル遺品整理を専門とする業者に相談する:ロック解除までは対応していない業者も多いですが、正規の手続きの進め方や、故人の契約状況の洗い出しについて相談できます。なお、パスワード解除やデータの取り出しに対応している業者もありますが、費用は数万円から数十万円まで幅があり、必ず成功するとは限りません。依頼する前に、見積もりや対応範囲をよく確認してください
  • 本当に必要な情報だけに絞る:すべてを取り戻そうとせず、「解約手続きに必要な情報」など目的を絞ることで、対応がシンプルになる場合があります

業者に頼む場合の費用の例や、依頼する前に確認したいことは、故人のスマホのロック解除、業者に頼むといくら?費用が決まる条件と、頼む前に確認したい5つのことで詳しくまとめています。

FAQ

Q. データ復旧業者に頼めば、パスコードも解除してもらえますか?

A. 業者によって対応範囲は異なります。スマホのパスワード解除をメニューに載せている業者もありますが、機種によっては対応できず、解除できる保証もありません。

大手のサービスでも、スマートフォンは対象外としている例があります。まずは何を目的にしているか(写真の復元か、解約手続きか)を整理してから相談することをおすすめします。

Q. キャリアショップに持って行けば、料金の引き落としだけでも止められますか?

A. はい。契約者の死亡に伴う解約・料金停止の手続きは、キャリアショップの窓口で進められます。これはスマホ本体のロック解除とは別の手続きなので、「本体を開けなくても止められること」として、まずこちらを進めるのがおすすめです。

Q. 家族なのに、なぜこんなに手続きが大変なのですか?

A. 家族であっても、故人のデータには本人以外の第三者(メッセージのやり取り相手など)の情報も含まれています。プライバシー保護の観点から、家族というだけで無条件にアクセスできない仕組みになっています。

この記事の「元気なうちに聞いておく」対策は、まさにこの手間を避けるためのものです。

まとめ

パスワードがわからないスマホを前にすると、まず「開けなければ」という焦りが先に立ちます。ですが、実際には「何のために開けたいのか」を整理するだけで、開けなくても解決できることが少なくありません。

契約や料金の整理を急ぐ場合は、契約しているキャリア(Docomoやauなど)の窓口へ。写真など思い出を残したい場合は、本体の心当たりを慎重に確認したうえで、Apple・Googleの正規の手続きへ。

それでも難しければ、専門業者への相談も選択肢に入れてください。焦って何度もパスコードを試したり、怪しいサービスに頼ったりすることだけは避け、落ち着いて一つずつ進めていきましょう。

LINEやFacebookなどのSNSは、スマホを開けなくても公式の窓口から手続きを申請できます。親のLINEを引き継ぐには?本当にできること・できないことや親のFacebookアカウントを死後に削除・追悼申請する方法もあわせて参考にしてみてください。

そして、もし今後同じような場面を迎える可能性がある方がご家族にいらっしゃるなら、「親が元気なうちに聞いておくべきデジタル情報リスト」もあわせて読んでおくことをおすすめします。

各社の手続きやサービスの内容は変更されることがあります。最新情報は必ず各社の公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

テクニカルサポートのコールセンターに10年以上携わり、1日数十件・延べ数千件のお問い合わせに対応してきました。セキュリティソフト(McAfee)で3年、モバイルWi-Fi(WiMAX)で2年。その後は、パソコンのセキュリティ、WordやExcel、年賀状ソフト、プリンターまで、ご年配のお客様の「分からない」に電話でひとつずつ付き添ってきました。私自身は古着販売を行うため、古物商の許可も持っていますが、遺品の買取は行っていません。
今も、70代半ばの父からスマホやパソコンのことをよく聞かれます。そして私も、母を見送った家族のひとりです。このサイトでは、各社の公式情報で確認したことを、同じ立場の家族としてお届けします。

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